スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヘンペルのカラスの対偶

ヘンペルのカラス対偶には誤りがある。

「全てのカラスは黒い」⇔「黒くないものはカラスでない」
("All ravens are black." ⇔ "Everything that is not black is not a raven.")

「全てのカラスは黒い」という命題を証明するには「全ての黒くないものはカラスでない」ことを証明すれば良い。 そして「全ての黒くないものはカラスでない」という命題は、世界中の黒くないものを順に調べ、それらの中に一つもカラスがないことをチェックすれば証明することができる。 こうして、カラスを一羽も調べること無く、「カラスは黒い」という命題が、事実に合致するか否かを証明できるのである。

この例では、「全てのカラス」と「カラスでないもの」、「黒い」と「黒くない」を対にして、それぞれ補集合 (否定) の関係がなりたっているように見える。しかし、証明すべき命題に論理のねじれがある。

それは、はじめの命題では全てのカラス黒いかどうかを問題にしているのに、対偶ではカラスと黒いものが入れ替わり、「全てのカラス」と「全ての黒くないもの」、「黒い」と「カラスでない」を対にしている点にある。

つまり、はじめの命題では
全てのカラスが黒いものに属する」
という「カラスの存在」を問題にしており「カラスかどうか」を問題にはしていない。これを否定するならば、
「黒いものに属さないカラスは一羽もない
ということを対偶とすべきである。
対偶では、命題が
「黒いものはカラスである」
と、黒いものとカラスが同等のものに置き換えられ、その否定として
「黒くないものはカラスでない」
とされている。

正しくは、以下のようにすべきである。

「(存在する) 全てのカラスは黒い」⇔「黒くないカラスは存在しない」
("All ravens are black." ⇔ "There are no ravens that is not black.")

「全ての黒くないものはカラスでない」⇔「全ての黒いものはカラスである」
"Everything that is not black is not a raven." ⇔ "Everything that is black is a raven."

これらの命題に反証するには、それぞれ「黒くないカラスが存在すること」「黒いものがカラスでない」ことを証明すればよい。
パラドックスは、論理のねじれにあったのである。

関連記事

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

この記事のトラックバックURL

http://chimantaea.blog8.fc2.com/tb.php/144-c5dd20a4

※トラックバック元には、この記事へのリンクを含めてください。